山陰道 細野峠は平成8年に歴史の道百選に選ばれた峠で、昔をそのままに偲ばせる峠です。京都府福知山市三和町菟原中村から国道9号線京丹波町方面に峠を越えて歩く事ができます。丹後から京都へ、または京都から丹後へ、昔の人が歩いたそのままの道が残っています。
峠の麓にあった宿垣内(しゅくがいち)は、その名残を家並みから見ることができ、峠にさしかかると所々に残る石畳、溢れ出る湧き水が昔を歩いているような気分にさせてくれます。
伊能忠敬の「測量日記」のも記されるこの峠は京から山陰地方には欠かせない峠で、明治初期までは菟原-大久保間を通る主要な道でした。
まさに峠として面影が残っているのは、この辺りからとなります。ちょっとしたウォーキング運動にも良い道になっています。
やや緩やかな登り、登山道を歩いている気分になります。晴れた日には辺りが静かなので鳥の鳴き声など気持ちが良いです。
藤の蔓が絡みつき、木がアーチ状になっています。森が管理されていた頃は、藤の蔓は木に悪さをするので刈られていましたが、今は放置されていることが多く、季節によってはあちこちで藤の花を見ることが出来ます。
現在も残っている石畳。昔、何かの工事をするときに、石畳にコンクリートを流しこんで固めたと聞きました。その結果、今でも石畳が綺麗に並んで残っています。
急激な上り、峠の頂きへと向かいます。奥に観音清水が見えます。頂には茶屋あったと聞きますので、この登りもそれを思うと心弾むものだったかもしれません。
観音清水。この向かいに茶屋があったとのことです。
この石垣は「宝祚山百観音堂円通庵(ほうそざんひゃくかんのんどうえんづうあん)」の跡地です。菟原中の龍源寺に移築されています。
観音清水から数歩、歩いた所。
少し開けた所、このあたりに茶屋があったのかもしれません。
峠を越え、下っていきます。ここにも石畳がありました。