目次
お宮参りについて
お宮参りの由来
お宮参りは元々「産土詣り(うぶすなまいり)」と呼ばれ、子供の誕生を産土の神に感謝し、子供の成長を祈願したという故事に由来しています。はるか昔、お産は汚れたものものだという「血盆経」の考えが浸透していました。お宮参りは「忌み明けの祝い」とも呼ばれて、産婦の忌み明けと誕生した子供の氏子入りの儀式を兼ねてお詣りされていたようです。現在のように「お宮参り」と言われるようになったのは室町時代の頃で、江戸時代に武家社会の中でお宮参りの帰途に大老宅へ挨拶に立ち寄る週間が起こりました。その後その習慣が庶民にも広まり、親類や知人宅へお宮参りの報告と挨拶に出向く習慣が定着しました。
30年ほど前までは三和町菟原の地域でも、親戚や知人、株内を招待してお宮参りの報告を盛大にされていましたが、現在は近親者のみで行われています。
産土の神とは
生まれた土地の神様を指す。氏神と氏子が血縁を基に成立しているのに対して、地縁による信仰意識に基づくのが産土の神とある。このあたりで言うと氏神は梅田神社にあたり、かつて多くの人が梅田神社にお宮参りしていたが、最近では安産の神様である大原神社にお参りする人が多い。これはどの地域でもそうだが同族神としての氏神信仰が衰え、産土神信仰に傾向していっているためとも思える。
生まれたばかりの赤ちゃんが、お乳などでお腹が満たされまどろんでいるときに、微笑みを見せる時があります。これを昔の人は「うぶのほほえみ」と呼んでいました。「うぶの神様がくすぐってらっしゃるんや」というような表現をします。
お宮参りの時期
お宮参りの時期は一般的には、男子は生後30日から31日目、女子は31日か32日目とされています。地方によっては男子が50日目、女子が51日目のところや、男女とも100日目のところもあるようです。最近では日数にこだわらず、子供の健康状態や産後の母体の体調をみて、天候の良い時節や吉日、戌の日を選んでお参りする向きもあります。
お祝いする方法は、お参りをすませた後、家族・親族が集まってお祝いの膳を囲んだり、晴れ着を飾って記念撮影するなど和やかに過ごします。
お祝い着
一般的には「一ッ身」や「熨斗目」と呼ばれる衣装にて、男子は家紋を五つ入れた紋付、女子は花柄や吉祥柄の絵羽模様の祝い着を用意します。お参りの際は、赤ちゃんに新調した着物やベビー服、セレモニードレスを着せて、頭巾やフード、前掛けをつけます。用意したお祝い着は家紋や絵柄が見えるように広げて、抱いた赤ちゃんを覆うように掛けます。祝い着の付紐の一方を肩側から、他方を脇から通して、抱き手の背で蝶結びします。付け紐にはこの地方では熨斗など祝いものを結ぶと共に、お金に苦労しないように財布、また近所・近親・株内などにポチ袋をつけてもらう風習がありました。
お参りの方法
習慣的には、祖母か近親の女性が母親を気遣って子供を抱くものとされています。ただ最近はお母さんが抱いてお参りされることも多いようです。お宮参りの服装は伝統的な習慣に合わせて、和装が一番ですが、儀式にふさわしい服装であれば問題ありません。
神社でご祈祷をしていただく場合は、お米、お酒、熨斗袋か金封にお礼を用意しておきます。上書きは文献では「御初穂料」「御玉串料」と書くようにされていますが、「御礼」でもよいです。下書きに親の名前を書きます。安産祈願をしてお礼詣りも含める場合は子安の砂も忘れずに持っていきます。絵馬はその場で書くには時間を十分とれない場合もありますので、事前にもらって書いて持っていくと安心です。